子どもたちの
自立を支援する
やりがいのある仕事
石崎 春実
Harumi Ishizaki
専門学校で知った児童養護施設という選択肢
私は7人兄弟姉妹だったこともあり、身近に多くの子どもがいる環境で育ちました。そのせいか、子どもが大好きで、自然と保育士を目指すようになりました。
進学した専門学校の実習先が児童養護施設だったため、初めて保育士の働き方の一つに児童養護施設があることを知りました。それまで児童養護施設についてはほとんど知識もなく、仕事の内容もよく知りませんでしたが、実習を通して児童養護施設で生活する子どもたちの心の優しさに触れ、この子たちの役に立ちたい、自立に向けて一緒に歩んでいきたいと強く感じ、児童養護施設で働きたいと考えるようになりました。
家族のような愛情を子どもに注ぐ
簡単に言えば、子どもと日常を一緒に過ごすことが、私たち児童養護施設の保育士の仕事です。子どもたちを朝起こすことから始まり、一緒にご飯を食べ、お風呂に入り、宿題を見るなど、家庭での保護者の役割を果たします。もう一つの大きな役割は、18歳で施設を出た後、社会的に自立した生活を送ることができるように、必要な支援を行うことです。
保育園やこども園の保育士との大きな違いは、例えば一緒に映画を見に行ったり、遊園地に遊びに行くこともあるなど、子どもたちのよりプライベートな部分に関わる点です。児童養護施設で生活する子どもにとって施設は家庭で、職員は親代わりですので、難しさもある反面、子どもの成長を感じた時は喜びが大きく、それがやりがいにつながっています。
幅広い年齢の子どもを支援する
児童養護施設には、主に2歳から18歳までの子どもが入所しているため、乳幼児期の子どもだけでなく、学童期や青年期の子どもの成長を見守り、支えられることが大きな魅力の一つです。反抗期を迎えぶつかることもありますが、それを乗り越え、人の気持ちを思いやれるようになり、成長した姿を見たときは、この仕事を選んで本当に良かったと感じます。
生育歴などから心に傷を持つ子どもも多いため、できるだけ一人ひとりと対話し、子どもの気持ちに共感することを心掛けています。私自身、この仕事を通して、人の気持ちをより深く考えられるようになり、自分自身の成長にもつながっています。
チームで子どもたちを支える
児童養護施設では、保護者の相談役ともいえる児童相談所のケースワーカーの方や子どもたちを心理面で支える心理士の方など、多くの方の力を借りながら、一つのチームとして多様な側面から子どもたちの自立を支援しています。
さまざまな人の力を一つに結集し、一致団結して困っている子どもや保護者を支える児童養護施設で働くことは、社会のためになる仕事に就きたいと考えている方にはぴったりの仕事だと思います。
TOPICS:働き方の選択ができる
保育士が働く職場といえば、保育園やこども園をイメージする人が多いと思いますが、保育士の資格を活かせる職場はそれだけではありません。年々、保育の知識が必要とされる場は多様化しており、さまざまな場所で保育士が必要とされています。
同朋福祉会は、児童養護施設、認定こども園、小規模保育事業、児童館と多様な施設を運営しています。そのため、自分の関心によって、働きたい選択肢が見つけられるのも魅力の一つです。
子どもと関わる仕事という共通点はありながら、それぞれの施設の特徴を把握した上で、自分に最適な環境で働ける可能性があります。